しのばずくん便り

不忍ブックストリート一箱古本市について 随時 情報を発信します!

shinobazukun2007-04-17

7年半の長きにわたって画廊を構えつづけた吉祥寺より、茅場町を経て、昨夏谷中へ移転。もとは接骨院だったというギャラリーの壁には、受付の窓と下駄箱がそのまま残されており、当時の面影を伝えています。
「Gallery Jinが紹介するのは、無名の若手アーティストばかり。多少古くてもいいので、手ごろで広い空間がほしかった」というご主人は、条件に見合う場所を求めて谷中を訪れたとき、まるで生まれ故郷に帰ってきたかのような感覚を覚えたとおっしゃいます。古いものが街のそこここに残り、一本路地を入ると、表通りの喧騒が嘘のような静けさ。理想的な物件が見つかったことも重なって、「これならギャラリーに足を運んでくれたお客さんに、散歩も楽しんでもらえる」とほとんど即決なさったそうです。
街歩きの助けになるようにと、ギャラリーの案内図には、カフェや雑貨店も掲載。それを持って近隣のお店をまわると、どこもみな快く店頭に置かせてくれるので、改めて驚かれたとか。「この街の人々は、自分たちの住む街を大切にする気持ちが強いんでしょうね。だからお互いに助け合える」とご主人はおっしゃいます。
そんなご主人にとってギャラリーとは、アーティストの原点。無名の作品のなかから、世に送り出したいものを掘り起こして紹介するとともに、アーティストの成長を見守る場所でもあるのだそうです。「アトリエにあるだけでは、まだ作品とは呼べない。表に出し、人の目に触れて初めて「作品」になる」とご主人。数多くのアーティストを見守られてきたであろうその眼差しには、強く優しい光が宿っていました。 (青秋部I&N)

*私たちが訪れたときには、「バスに乗って」と題された箱嶋泰美さんの個展を開催中でしたが、一箱古本市当日は、書籍の挿画や装丁なども手がける松永かのさんの「踏青(とうせい)」という展示の最終日。大地や植物をモチーフに「生命の静かな美しさ」をテーマとした作品が展示されるそうです。
松永かの −踏青(とうせい)−
2007年4月20日(金)〜4月29日(日)12時〜19時(月・火曜休廊、最終日は17時まで)


*Gallery Jinご主人の愛読書
「年齢がばれてしまいそうですが、つげ義春白土三平林静一など『ガロ』執筆陣の作品が好きですね。」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

*Gallery Jin
台東区谷中2−5−22
http://galleryjin.com/
開廊時間 12時〜19時
休廊日  月・火曜日