しのばずくん便り

不忍ブックストリート一箱古本市について 随時 情報を発信します!

助っ人〈不忍マピヨン〉のMAP配りの日々(2)

「第二夜・中野の中心での古本市の受け入れやすさ=1nakano」


雨がしとどに降る夜だった。
一箱古本市のマップを置いてもらえそうだと、ネット検索で目星をつけたカフェ、Una Camera Livera に向かう。
店名はイタリア語をヒントにしたもので、「Una」は英語でいう「an」、「Camera」は「部屋」、「Livera」は「変化や生き生きとした」という意味を持つとネット上で目にした。
略称「ウナカメ」がかわいらしい。


中野駅南口から4分ほど歩く。住宅街の中にぽつんと看板を発見。
門柱の先に敷石がしかれ、庭を横ぎる。アルミサッシの戸が入り口だ。
友達の家にでもあがりこむ雰囲気。


雨の中ようこそと、笑顔で迎えられる。
頭にバンダナを巻いた新山千春似の女性が、「コーヒーが終わってしまって、ティーだけなのですが」と詫びる。Noah's Cafe に続き、ハーブティーでもいいかと承諾し、席につく。


無垢の木の床に、あまりデザインに統一性のないテーブルや椅子。
本棚にはモスグリーンの布が無造作にかけてある。
私の選んだ窓際の席は、椅子の座面にグレーのトレーナーが敷いてあった。
全くざっくばらんな雰囲気だ。


日替わり丼が終わってしまったとのことで、ロコモコ丼とスモークマロンティーを注文する。


こちらは曜日ごとに出店者が替わる方式のカフェで、今日はuscafeの日だ。
あすかふぇ、明日カフェとも読むという。
経営者はふだんは別の仕事をしておられるそうだ。
週に一日の営業だから、食材の用意は少なめなのだろう。


先客は二組。大雨のなか盛況である。
入り口近くの机に、チラシが10種類以上おいてある。
古本市のチラシも置いていただけそうだ。


目についた面白そうなチラシをいただいて読んでみる。
カフェ経営者が一人一葉、あるテーマについて文と絵をかき、帯で束ねたものがあった。
アール座読書館。イネル。ひねもす。roji。心惹かれるカフェがみつかった。
マップを配りに行ってみようか。何かきっかけがなければ、なかなか足が向かないし。


本棚に扶桑社の「新しい単位」という本をみつけて再読してみた。
趣味の合う友人にプレゼントした本だ。
やっぱり笑える。
私がいちばん好きなのは「カラオケでいきなりマイウェイを歌う掟破り」だ。


すっかりくつろいだところに、ロコモコ丼がでてきた。
丁寧に作られているのがわかって、おいしかった。
スモークマロンティーは、本当にマロンの香りがした。


しめて980円也。おもむろに「ゴールデンウィークに古本市があるのですが」と切り出す。
この店でお願いすること三回目、少し慣れた気がする。
新山千春サンが、どうぞどうぞとチラシをよけて、机のまんなかに置いてくださった。


帰り際、靴の中は雨水で冷えていた。でもマップを置いてもらえたからいい。
お気をつけて、の親切な見送りを背に、敷石を踏んで家路についた。