しのばずくん便り

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根津教会


1919年に建てられた根津教会は、のちに首都圏を襲った関東大震災東京大空襲というふたつの衝撃にも耐え、約90年もの長きにわたってこの地を見守り続けています。それだけの歴史ある木造西洋館が、創建当時と変わらぬ姿で東京に残されていることは珍しく、2001年には有形文化財として文化庁に登録されたそうです。ところどころペンキの剥げた壁や、ゆがんだ梁、かすかにきしむ床が、多くの人々の手によって大切に守られてきた長い歳月を物語っています。
そんな教会で1999年より牧師を勤められているのが、鍋谷憲一牧師。かつては商社マンとして世界を飛びまわっていた牧師は、現在もその外交手腕を遺憾なく発揮。「ご近所外交」と称して居酒屋に顔を出されたり、町内会の夜回りで拍子木を叩かれたりすることもあるそうです。鍋谷牧師が夢見られているのは、町の人々に心から親しまれる教会の姿。「地域とつながってゆくことが、教会の使命」だと語られる鍋谷牧師は、多くの人が教会に足を運んでくれるよう、着任直後より様々なイベントを催されてきました。
たとえば毎年4月29日のみどりの日(今年は28日)には、バザーを開催。衣類や書籍、手芸品、手作りケーキなどの販売のほかに、喫茶店も開き、訪れる人の憩いの場となっています。またコンサートや写真展、さらには落語会にまで礼拝堂を提供。「信徒でなくたってかまわない。たとえ年1回でも、これが教会へ来るきっかけになれば」と鍋谷牧師はおっしゃいます。実際、信徒でない方も、バザーや聖歌隊に参加されているとか。
「教会は決して特別な場所じゃない。たとえば、もやもやした悩みを抱えているときにふらっと立ち寄れる、そういう場所でありたい。どうぞ気軽に入ってきてください」と鍋谷牧師。「気持ちはいつでもオープンだからね」と豪快に笑われるその姿に、つい悩みを打ち明けてしまいたくなるのでした。 (青秋部I&N)

*根津教会バザー 4月28日(土)11時〜14時半

*根津教会 鍋谷牧師の愛読書/著書
徳川家康山岡荘八 講談社
『もしキリストがサラリーマンだったら』鍋谷憲一 阪急コミュニケーションズ

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*根津教会
文京区根津1−19−6
http://www15.ocn.ne.jp/~nzc/